終わる筈の無いばふぁが消えてゆく
いのち尽きてゆくように
ちがうきっとちがう 心が叫んでる

ひとりでは生きてゆけなくて
また 何処かを愛すのか
こころ哀しくて 言葉にできない

言葉にできない

せつない嘘をついては
現実から逃げだして
果たせぬあの頃の夢は もう消えた

誰のせいでもない
自分がちいさすぎるから
それがくやしくて 言葉にできない

言葉にできない

バファローズを愛せて ほんとうによかった
嬉しくて悲しくて 言葉にできない

言葉にできない
(オフコース「言葉にできない」より)

良い試合でした。
往年の藤井寺の空気が、最後になって戻ってきたような…そんなスタンドとグラウンドでした。
秋空の下、応援を楽しみ、ヤジを楽しみ、お喋りを楽しみ、そして、目の前のバカ試合を楽しむ…野球の原点が其処にはあったのです。
それは、バファローズの歴史を知る人にとってかつてのバラ色の日々を思い起こさせ、大阪Dからのファンには「これがバファローズなんだよ」と勝利の女神が教えてくれたような(野球に神様はいません。今回の一件でそう確信しました)、そんな一時でした。
「この時間がずっと、ずっと、永遠に続いて欲しい…」
その願いは、もしかしたら大阪D最終戦よりも強かったかもしれません。

終盤、降板するばふぁの投手がみんな、うつむき、目を潤ませてベンチに帰っていきました。
打たれても打たれても、決して中傷するようなヤジはとびませんでした(その分ドラ&審判への風当たりはものすごかったですケド…てゆーか、野口トカだすなや!空気読めよドラゴンズ!!)
そして、あっという間にダブルスコアに陥れられてもファンは声援を送りつづけました。

ドームでお近づきになったお姉さんやそのお知り合い、はたまた別に知り合いになった方、そして今日仲良くなった方…多くの方々と観戦していましたが、終盤になるにつれボロ負け試合への疲労感やとっことん空気が読めないドラゴンズへの苛立ちとは別に、なんとも言えない寂寥感を感じ、みんなして口数は少なくなっていきました。

そして、最後は訪れました。
あっけなくサードフライが打ちあがった瞬間、なんともいえない溜息が球場を包みます。何度もあふれたであろうこの溜息も、再びこの球場に響くコトは無いのです。

セレモニーが始まります。
ドラゴンズは三塁側で盛り上がっています。
胴上げも手を変え品を変え8回くらいやってました、こちらの
「よくやった、よくやった、ドラゴンズ」
のコールを無視して。
たまらずみんなが叫びます。
「お前らライオンズより可愛げないなぁ!」
みんな涙がひっこんでました(笑)
ウチもコレだけは叫びたかった。
「お前ら永久にあるやろうが!こっちはこれっきりなんやぞ!!」

そのあと優勝旗の贈呈などが行われます。
しかし、多くの報道陣は一塁側から離れようとしません。
「お前ら〜!もっとドラゴンズ撮ってやれよ〜!!相手が違うやろ!!!」
ベテランウシキチから飛ぶ多くの声。
パ・リーグは心の優しい人が多いと改めて感じました。
この境遇で、相手を気遣えるなんて…よほど人間ができてないと言えたものじゃありませんもの。

そして、山下梅のインタビュー。
涙で詰まって殆ど聞き取れません。
でもコレだけははっきりと聞きました。
「…僕達は幸せだと思っています、ありがとうございました!」
一斉にわきおこる
「お前らに罪はないぞ〜!」
「ありがとう〜!」
「オツカレ様〜!!」
の絶叫…もう涙は流し尽くしたと思ったのに、また…

セレモニーが終わり、とっととドラの選手が撤収し、選手の半ばヤケクソなサインボール&私物投げ大会が終わってもウシキチは殆ど席を立ちませんでした。
バファローズだけでなく、この素晴らしい球場までも体の良い言葉一つで潰される…そのコトが信じられず、いつまでもここにとどまっていたい…
と、ベンチから幾人かの選手が出てきました。みんな明るく記念写真を撮っています。写メをふりまわしている選手もいます。ただ、皆表情は曇っていません。ただ?悲しいほどの笑顔で声援の中、フレームに納まっています。

するとまた幾人かが水の入ったペットボトルを選手の輪の中にぶちまけました。やけくその「ミネラルウォーター」かけ。それがたまらなく豪快でバファローズらしくて素敵で嬉しかった。
輪の中には裏方で支え続けた名・ウグイス嬢、大野さんも加わります。
セレモニーに出席された貴久さんのご家族も見えます。
みんな笑顔です。こちらも笑顔でした。

再び私物投げ込み大会が始まります。
南河内の空に手袋やリストバンドや帽子がポン?飛びます。
「ええーい!最後や!持って行け〜!!」
って言葉が聞こえてきそうな景色でした。

一緒に観戦した皆様と握手でお別れ。
「また、来年会いましょう!」
今年はその言葉がとても重く響きます。

球場の外に出るとバフィとファルルの前に長蛇の列ができていました。
彼らは今日も健気にサインをし写真に映り、そして明るくパフォーマンスをしています。
しかしファンは違います。彼らにまた来年と指切りをせがむ人、感極まって言葉がでない人、思わず胸に顔をうずめる人…
ウチもサインをしてもらっている時に感極まってしまい、思わず肩に顔をうずめてしまいました。
今日の試合の後、名残惜しげにマウンドにとんぼがけをしていた姿を思い出し、また、特番で見たバフィの手紙を思いだし…彼が失いがたき存在だと改めて感じていたのです。
「来年も…会おうね!」
バフィは明るく
「もちろんやん!」
ってポーズを決めてくれました。
必死に涙をこらえてると、ツレに
「よぉ泣くな、コイツ」
って目をされてしまいました(^^;)

なんだか名残惜しくて球場の中に再び入りました。
きれいな夕暮れに浮びあがる藤井寺は、なんだか満足そうな顔をしていました。
「何泣いとんねん。今更ワシの魅力に気づいたんかい」
「ずっと前から気づいてたよ」
「そうか…でも、こっちはこっちでええ人生やったで」
「まだ終わったワケ違うやん!此処ほどええ球場ないもん」
「ありがとう…ずっと忘れんといてや、ワシのコト」
「こっちこそ、ありがとう…」
ネット裏から眺める藤井寺は、とても穏やかな空気に包まれていました。

その後部活に向う道すがら、ずっとバファローズの応援歌が口から零れ落ちていました。

代わりなんて、見つからない見当たらない。

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